1996年の国民医療費の国際比較のデータ(厚生統計協会「厚生の指標」・菅谷良男「日本の医療と欧米の比較」)があるのやが、これによれば、国民一人当りの年間受診回数、つまり国民一人が医療機関を一年間に何回受診するかというと、日本の21回に対し、欧米人は日本の4分の1くらいや。つまり、欧米では多少具合が悪くても病院に行かないというわけやな。その理由はカンタン。一回受診当たりの総医療費が日本に比べてめっちゃ高いからや。日本では平均7000円なのに対し、アメリカでは6万2000円、スウェーデンでは8万9000円や。このように欧米では医療費が高いという垣根があるので、病院を受診する患者が少ないのが現実や。
 なぜ日本の医療が安いのかと言えば、医者の技術料が安いから、ということに尽きる。ある内科医会が調べたところによると、アメリカの医者の2割程度だそうや。 患者にとって医療費が安いということは非常に良いことやが、そのせいで最近は医療従事者の過労・長時間勤務も問題視されており、もろ手を挙げてバンザイ!とは言えない状況や。それに日本では、医療と福祉がゴッチャに考えられることが多く、高齢者の長期にわたる入院の問題、病院に介護を丸投げしてしまう問題など、これからの高齢化社会の大きな問題点もじわじわと浮かび上がっている。高額医療について語る際には、そうした視点も忘れたくないところやな。



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